情報革命がもたらしてきたもの

わたしの記憶では、「情報」という言葉が新聞等に頻繁に登場するようになったのは、1960年代後半ではないかと思う。わたしが高校生で大学受験を目指す頃、情報化社会、情報工学といった言葉が使われていて、企業では大量の情報処理を、大型コンピュータで効率よく処理して合理化することが注目されていた。それから1980年代おわりまでの時代を、情報革命の第1ステージと呼ぶとするなら、第1ステージの情報化は一言でいえば、大量データの高速処理、省力化に代表される事業(企業)レベルでの情報革命と言えるだろう。
しかし、現代を生きる多くの人にとって、情報革命といえば、やはりインターネットの利用が本格化し、パソコンが企業内でひとり一台、そして個人ベースでの電子メールの利用、さらには携帯電話が普及した90年代後半から、2000年の初めのころのIT革命をイメージするのではないかと思う。この第2ステージの情報化は家庭、市民レベルのデジタル情報革命と言える。
そして、2010年以降、mixi、ブログ、ツイッターフェイスブックなどのSNSとスマートフォンに象徴される段階は、情報革命の第3ステージ。ハード的な進歩にソフト面での進歩が加わり、いま、デジタル情報革命がもたらしているものは、一般市民生活の便利さをもたらすだけにとどまらず、さらに、人とのつながり、豊かな生活をおくるための情報化、コミュニケーション革命をもたらそうとしている。振り返ってみれば、私自身、ずっと情報と関わり合って生きている。