岡本太郎展


行ってきました。作品を見て、エネルギーもらってきました。若い時(30代後半)から晩年まで、作品の傾向が変わっていないように感じました。しかし、1972年の記念すべき大阪万国博覧会での太陽の塔で一躍世間の注目を集めて以来、テレビをはじめマスコミに頻繁に登場したせいか、彼本来の作品でなく、本人自身の顔や言葉、アクションで自分の思想を表現していったように感じた。
油絵の具の基調は、赤と黒、黄色と暗い群青色が多用されている。そして、白に引きつけられた。テーマは人が中心で、いくつもの顔が出てくる。時代は移り、科学は進歩するが、人は永遠に変わらない。原始人のまま、変わってはいけない。人間の根源は命、精一杯自分の命を生きること。時には対決も辞さない。戦争と対決し、高度成長した消費社会とも対決した。岡本太郎自身とも生涯対決しつづけ死を迎えるまで芸術を生きた人、岡本太郎。その情熱は、力強く、怖ささえ感じた。
代表的な作品、「燃える人」と「明日の神話」は見応えがあり素晴らしかったが、一風変わった「月の壁」がシンプルな味わいでよかった。
言葉では、「成功は失敗のもと」が超ユニークで、「芸術というのは生きることそのものである」はこの人そのもの。
会場内の万博当時のビデオ映像の中で、太陽の塔のことを自分で「素っ頓狂なもの」と語っていたのが印象的でした。