童謡詩人、金子みすゞ
3.11の東関東大震災の後、しばらくの間テレビCMが中断した。そして、ACジャパン(公益社団法人)のCMもどきが民間各局の番組のつなぎで頻繁に流れた。そのCMもどきで一番使われたのが、童謡詩人、金子みすゞの詩、「こだまでしょうか」だった。いま、金子みすゞの詩集が大フィーバーだ。金子みすゞの命日は3月10日という。
こだまでしょうか 私と小鳥と鈴と
金子みすゞ 金子みすゞ
「遊ぼう」っていうと 私が両手をひろげても、
「遊ぼう」っていう。 お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
「馬鹿」っていうと 地面(じべた)を速くは走れない。
「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと 私がからだをゆすっても、
「遊ばない」っていう。 きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
そうして、あとで たくさんな唄は知らないよ。
さみしくなって、
鈴と、小鳥と、それから私、
「ごめんね」っていうと みんなちがって、みんないい。
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。