東京マラソンに新ヒーロー

第5回東京マラソンに新たなヒーローが誕生した。
日本人のトップランナーとなった川内選手、所属は埼玉県陸上競技連盟となっている。
いわゆる実業団と呼ばれる企業のバックアップを受けていない一般市民ランナーだ。
最近のマラソンは、トップ選手たちを引っ張るためのペースメーカーが先頭を走る。
そのペースメーカーが30km地点で退場するとともに外国人選手2人が飛び出し、
そのままゴールまで逃げ切った。
川内選手は、40km付近で、それまで日本人選手のトップを走っていた尾田選手を
追い抜きトップに躍り出た。傍目にも苦しそうに映る表情には悲壮感が漂っていた。
川内選手はゴールとともに倒れこみ、そのまま医務室に運び込まれていった。
ゴールして、最初に彼は何を思ったのだろう。
2時間8分台の記録を残し、日本人選手トップとなった川内選手は今年8月韓国で
開催される世界陸上選手権への出場権を見事獲得した。
“死ぬ気で走った”という市民ランナーのヒーロー誕生で、東京マラソンの人気は
ますます高まっていくだろう。