おじいさん、アソボ

子供は遊びの天才、とはよく言われるが、孫のリクくんもご多分にもれず、遊び好きである。朝、起きて私の顔をみると、まず、「おじいさん、きょうはワーク行くの?」と聞いてくる。「それじゃ、ワーク行くまで少しアソボ?」いつでも、「アソボ」「もっとアソボ」である。いつまで遊んでも飽きない。大人の私のほうは、ある程度の時間はお付き合いできるが、しばらくすると、遊びに集中できなくなってくる。子供はそこも決して見逃さない。他の人と話を始めたり、テレビを観たりすると、「おじいさん、お話しするの止めて、テレビみないで」と言ってくる。
ひと月間我が家に滞在したその孫が、昨日成田からメキシコ・カンクンに帰って行った。空港ロビーのレストランでみんなで昼食をした時、ケーキならぬパフェで誕生日のお祝いをしてもらった。そして見送りのゲートでお別れのハグをした時、その孫が耳元で囁いた。「おじいさん、明日またアソボ」。いたいけで、いじらしい男の子の言葉に思わずおじいさんは涙を浮かべてしまった。長時間のフライトになるが、家族全員無事に帰国してくれることを祈っています。昨日は涙雨で寒く、一段と秋が深まった。